口腔外科
親知らずの抜歯
親知らずは第3大臼歯や智歯ともいいます。人によっては1本もない人から、上下左右4本ともある人までさまざまで、そのうちの1本だけがはえてくる人、2本はえてくる人、3本の人、4本ともはえてくる人など、いろいろなケースの方がいらっしゃいます。
また、生え方によっては様々な障害を起こします。親知らずは、いずれ障害を引き起こす可能性が高い場合には、自覚症状がなくても抜歯したほうがよいでしょう。
ただし、他の歯がだめになったときに移植に使える場合があるので状況によっては保存します。
親知らずの生え方のケース
1.正常な位置にはえてこない
はえてきても他の歯と噛み合ってないので、食べかすがたまったり、歯ブラシが届かなかったりして、 親知らずや周囲の歯が虫歯や歯周病になったりします。また、周囲の歯肉が炎症を引き起こし、腫れたり痛んだりします。(智歯周囲炎)
2.埋まってはえてこない
水平方向を向いていたり、ほっぺた側を向いていたり、完全に歯茎の下にあったり、半分くらい頭を出していたり、などなど様々な埋まり方があります。
これもパターン1と同じ障害を引き起こします。また、個々で変わってきますが、深く埋まっている場合には骨を削らないと抜けなかったりしますので、ある程度の時間をかけて抜歯します。
3.歯列や噛み合わせ、顎関節まで影響が出る
本来、生える余地のない所に生えようとして、前方の歯を押し出すので前歯の歯並びが悪くなったり、歯列全体を歪ませることがあります。
また、親知らず自体が全体の噛み合わせや顎の動きを悪くして顎関節症を引き起こしたり、ひどくなると頭痛や肩こりまで引き起こします。
歯の移植、再植
自家歯牙移植とは、何かの理由で必要な歯を失ったときに、自分の口の中の不要な歯を利用して歯のない部分に移植するというものです。
不要な歯というのは、主に親知らず(智歯)、噛み合わせのない歯、治療のため抜歯しなければならない歯などです。
移植のよくある例は虫歯が大きくなってしまった歯を抜いて、抜いたところに自分の親知らずを移植して機能を回復させる例です。
また、再植とは歯の根が膿んでしまい治療が難しいときに、一度その歯を抜いて根の部分をきれいにしてから再び戻したり、今まで抜歯の対象となっていた歯を抜いてから修復し元に戻すことです。
自家歯牙移植の最大のメリットは、インプラントとは違い、根の組織などそのまま移植するため噛み心地が正しく脳に伝達され、通常の歯の感覚を保つことが可能になり、顎骨に根付いて融合することによって新たな骨が形成されます。
このように自家歯牙移植は夢のような治療法なのですが、注意しなければいけないのが、インプラントのように決まった形ではないので、
歯を植える部位の大きさ、骨の状態、移植後の固定のとりやすさ、移植歯の大きさ、根の状態などの整合性をしっかり確認しなければなりません。
もちろん植える部位に移植歯が合わないこともあります。また、保険が適用される場合と適用されない場合がありますので、詳しくはお問い合わせ下さい。